極真・フルコン空手 「正拳突き」の技・テクニックのコツ・ポイント 13

「極真・フルコン空手 「正拳突き」の技・テクニックのコツ・ポイント 13」のまとめです。

一般的には筋トレ、腰の回転等色々あります。
しかし武術的に言うと、(ここからは訓練と言うより突き方そのものですが)足の親指の付け根で地面を一気に踏み込みます。その「踏み込みの反動で返って来た力」を逃がさずに、親指の付け根→足首→膝→股関節→腰→肩→肘→手首→拳頭に伝えていきます。
これはとても難しく、すぐ使えるようにはなりません。
しかし年齢により衰える事もありませんし、威力も筋トレの比ではありません。

この方法は少林寺拳法(本部)も極真空手(ろう山師範)も言っていたものです。

拳を鍛える事により、拳の重さを増します(拳蛸をつくるわけではありません)。
拳は思いきり握らず棒を握っている感覚で力を抜き、鉄球を投げるように拳を打ち込みします。
この感覚は拳足をある程度鍛えた人にしか解らないと思います。

衝撃力は荷重×速度の2乗で表されます。
また、実際にはさらに力積という考え方が必要です。
力積(りきせき、Impulse)は力の大きさと力が働く時間を掛けあわせたもので、
他の物体の運動量をどれだけ変化させるかをあらわすものです。

さて、以上のことから突きの威力を高めるには
「荷重」「速度」「力を加える時間」を増すことが有効だと考えられます。

すでに多くの方が述べられている地面からの反発力と筋肉の連動は
「荷重」と「速度」を増す方法です。
さらに、加速された拳に体重を預けるようにすれば
「荷重」はより大きくなるので破壊力は増すはずです。
(JOLTと呼ばれる打ち方がこの典型です)
体重を用いた打撃力は筋力が衰えても変わりませんが、
筋力が衰えた分、より精緻な身体操法を用いなければ
「速度」「荷重」が減り、威力は落ちるでしょう。

「力を加える時間」については、ボクシングのグローブが良例です。
グローブ制になってからKO率は飛躍的に伸びました。
ただ、素手の場合は力の伝動と引きのタイミングのバランスを
考えないと崩されてしまうので注意が必要です。
接触の瞬間まで握りを軽くして当てながら握りこむことで
接触時間を伸ばすという技術もあるようです。
(銃弾のソフトポイント弾の原理と同様と考えられます。)

その他、当身の位置や角度、カウンターの技術など
「威力」に関わるものは多くあります。
ただ、当ててナンボなので、
いかに当てるか・ガードやフォローは十分かといった点も踏まえながら、
試行錯誤してみてください。