伝統空手 「高速上段突き」の技・テクニックのコツ・ポイント 3

「伝統空手 「高速上段突き」の技・テクニックのコツ・ポイント 3」のまとめです。

突きを先に伸ばす場合は、膝を抜いての移動時に、腕が伸びきったまま相手向いて動くので、「突き」としては不充分ですが、くさびの役割は充分に果たすので、着地と同時の逆突きが必要でしょう。

単発で狙う場合には、膝の抜きを優先する感覚のほうが、突き自体の「極め」がつくりやすいと思います。

どっちでもいい、というか、どっちも使えるように、というか、その時々で、というか、瞬間的な体反射で、というか、同時でもいい、というか、要は「結果オーライ」なんです。相手に有効に作用し、審判に有効ポイントと認められる質のものであれば、どっちが先かなんて・・・ね。

突きを出すタイミングの違いでしょうか。
追い突きだと着地と同時かそれより少し遅れて突く、となりますが、前膝の抜きとほぼ同時か、抜きで体が前方にいくエネルギーがうまれた直後に突く感じだと思います。
その瞬間は逆突きです。
突きをグンッと伸ばした事で腰が引っ張られるので、その力を利用して半身から逆半身に一瞬で直線的に入れ替え(横回転させないほうが前方に進みやすいです)、ぐんと腰が入った事で後ろ足が前に引かれてくる、基本の追い突きの動く順序を真逆にすれば応用編という事でしょうか。
膝をより抜くには行く瞬間に前足をかかとを支点にして外に開くとやりやすいです。
もちろんこれが「初動」になりますが、初動とほぼ同時に突きを相手向いて出せば、ちゃんと開いたほうが距離も出ますし、前足も屈曲するほど伸ばすほうに踏ん張れるので、もし迎撃されても打ち勝てる確率が上がると思います。
後ろ足は追い越そうと浮いていようと、それはどうでもその時々でなるようになってたらいいと思います。

●高速上段突きと上段の追い突きとの違い
大きな違いは前足の抜きにあると思います。
構えた状態で前足が消えると前方に倒れます。
これは地球の引力に引っ張られるからですね。
前足を抜くと同時に後ろ足は地を蹴って前方に飛びあがるようにする。
そうすると骨盤に対して、斜め下に引っ張るエネルギーと斜め上に推進するエネルギーが同時に働くので、水平に直進するエネルギーに変わります。
この運動エネルギーに加えて、前傾姿勢と腰の回転も重要な要素だと思います。空手の世界だけではなくプロ格闘技のトップレベルの選手も使用する有効な技です。
あと、後ろ足を蹴らないやり方もあると思います。
膝抜き後前屈立ちで体のバランス機能により後ろ足を運ぶ感覚です。

上段追い突きは踵起点の力で、突く。
高速上段突きは膝抜きの速さで突く。

しかし後者はどうしても踵、および身体が浮き、武術的な威力は出せないのである。