伝統空手 「高速上段突き」の技・テクニックのコツ・ポイント 1

「伝統空手 「高速上段突き」の技・テクニックのコツ・ポイント 1」のまとめです。

高速上段突きは全身の脱力と、円滑な体重移動から生まれる技です。

私は伝統空手道歴15年ですが、高速上段突きは初心者には難しい技だと思います。
なぜなら、本質的に空手道等の武術のほとんどは踏み込みを基本にしています。
しかし、この高速上段突きに関しては、競技空手に特化した踏み込みを最小限にした動きをするからです。

腰は浮かさないで重心を上に持っていく感覚とでも言いましょうか、、、
このふわふわした動きをする上で、膝抜きが必要になります。

動きとしては、
①構えて前足の力を一気に抜く(体が急に前進するはず)
②歩く(または走る)ようにして進み、後ろ足が前に出る前に逆突きを打つ
③後ろ足を前に出して反対の逆突きを打つ
こんな感じです。自分で止めなければ何回も連続して出せるようになりますよ。

刻み突きとは区別されてると思いますよ。
追い突きのような逆突きのような高速上段を使う人が多いですね。

人によって細かいやり方は違うんですが、意識的には後ろ足で床を蹴らないで、前膝を抜いて重力をうまくつかって加速するところが共通だと思います。
蹴らないことによって相手にバレにくいんです。
たとえ蹴って進んだほうが物理的にスピードあっても、相手に察知されて迎撃の用意されていれば「遅い」わけです。

ちなみになにも伝統派空手だけの専売特許でもなく空手と無関係な総合格闘家が似たような原理のパンチを使っていたり(レスリングのタックル由来?)、古流柔術の当身でも似たのがあるでしょうね。
「蹴らない、捻らない」とか最近はよく言われてますし。

高速上段突き? その場立ちではなく、半身になつてからの前の手で打つ「きざみ」の事ですね。
基本が一番大事ですが、ポイントとしては、コブシをねじるとスピードダウンなので、縦拳のまま打つ。
コブシをねじって横拳にするのは、あくまでもトドメの場合です。
打つ時にフェンシングの様に後足で床を蹴り体を前に押し出す事により突きの速度を倍増させます。
更に腰のひねりで突きを加速。
つまり突きの伸びきる(流派によっては関節技を防ぐため完全に伸ばしませんが)一瞬だけ真横を(顔以外)向く形になります。スピード重視の突きでも蹴り足による体重移動と腰の回転で十分な破壊力が生まれますよ。
練習はまず前の手(オーソドックスなら左手)をなるべく2秒以内に10回以上突ける様になつて下さい。
次に腰の回転もすべて合わせられる様に。次はそのスピードのまま足運びも合わせる。(足はそんなに早く蹴れませんから、2秒で3~4歩位)
そうすれば素人に寸止めすると、近づいたのは解りますが突きは見えません。
しかし風圧が届くので、「何?した??」と不思議がられます。

高速上段突きは刻み突き→逆突きを居着くように突くのではなく、流れる様に突くタイプと逆突き→逆突きのタイプがあります。
一発で極めるんじゃなく二発目で極めます。
新井月という先生のDVDならもっと分かりやすいですよ。