伝統空手 「中段突き」の技・テクニックのコツ・ポイント 3

「伝統空手 「中段突き」の技・テクニックのコツ・ポイント 3」のまとめです。

中段突きの基本プロセス(自分が師範に習い、実戦で行っている)は以下の通りです。

❶構える(中段突きはある中程度間合いで、放つのが一般的ですが、遠くの相手に届かせるほどの気持ちを持ちましょう)
❷構えている状態で前(相手側)にある足を大きく踏み込むと同時に腰を深く落とす(猫背になるような態勢で中段めがけて突いても決まりませんので、相手の鳩尾と自分の付く腕が垂直になるように心掛け、背筋をしっかり伸ばし、足を大きく踏み出し開くことで自然に腰が下に落ちるようにする)
❸大きく腰を回し、肩よりも腕が速く動き始めるような意識を持って突きを繰り出す(自由組手の際は基本組手と違い、ある程度体勢が崩れても良いので、とにかく腰を強烈なほどに回す。このとき、あくまでも肩を伸ばすのではなく、腰を回して相手に突きを届かせるように意識する)
❹踏み込んだ前足の指先から足の腰(土踏まずの上にある皮膚が厚い部分)で地面を一気に蹴り上げて、その勢いを利用して、本の構えに戻る。

<補足>
・踏み込まない後ろ足のかかとを基本的につけないように心掛け、突くときに態勢を低くしても、後ろ足の膝は絶対につけないようにし、後ろ足のつくときにひざの角度は90度を保つようにする。

・下半身の筋力を増強できるようなトレーニングを行うこたで、よりスムーズの中段突きを行うことができるようになります。

理想の中段は腰を落とすのではなく、後ろ足で地面を蹴り前足を前に出すことによって結果的に腰が低い位置にある、です。前足を前に出すことにより相手の上段突き、上段蹴りは抜けますし、先に間合いを詰めることにより自分の中段突きは相手より速く届きます。これが上手に出来れば相手の中段蹴りも自身の肩に相手の脛か膝が当たります。

構える。

重心を落としながら、前足を踏み込む。

重心が最下点に達すると同時に、突きが完了する。

状況に応じ、前足を戻すか、後ろ足を前に出し、構えなおす。

中段突きで突くのは胸ではありません。
みぞおち(水月)です。
胸を突いてもポイントは入りません。

中段突きでは上半身を前傾させてはいけません。
相手に腕を引かれると体が前へつんのめり
顔面への肘打ち・胴体への膝蹴りを受けます。
ポイントも取ってもらえません。

上半身は直立させたままで突くのが正しいです。
重要なのは遠い間合いから一瞬で飛び込む瞬発力です。

この練習には階段ダッシュが良いですよ。
2段飛ばしで駆け上がりましょう。
腿をしっかり上げて足首が横から出ないようにして下さい。

中段突きの踏み込む足(前足)は、相手の前足より奥(深く)に出すつもりで大きく広げます。その時に大事なのは、ヘソの向きと後ろ足です。

ヘソが相手に対して横を向いていると腰も入らず中段逆突きが届きません。届いたとしても弱く潰れてしまいます。なので、突きをしているときはヘソのを相手に向けてください。

あと後ろ足はしっかり伸ばします。膝を床には着けません。後ろ足の膝を床に着くのは重心が前にいってないからです。重心は下ではなく前です。分かりやすく言うとバネです。後ろ足のバネを使い、前に出ないと届きませんし、中段突きをした後の動きが遅くなります。

基本の前屈逆突きを思い出してください。ヘソを横に向け、後ろ足を曲げて、逆突きの手を押されたら強いですか?
基本では後ろ足の踵は浮かしてはいけませんが、組手は浮かしていいです。イメージとしては、基本の前屈逆突きがもっと前に伸びた感じです。
姿勢は前に崩さず、前の手は自分の顔の前にあるとより綺麗な中段突きが突けます。

言葉で説明するのは難しいですが、基本の前屈逆突きをしっかりできればできると思います。相手を意識せず、思いっきりやってください。

動作としては、相手が間合いに入ってきたのを感じて、次に攻撃動作が来るのを予測して一瞬早く自分が、というのがカウンターとすれば、その間合いに入って下をとる、というのを自分がやって、いける、と感じたら(おおよそで言えば間合いに入ったのに相手がのんびりしていたり浮く反応を示した場合)、前足を前方に放り出すくらいの感じで(のけぞるくらいで可、背筋をしめる)ぐっといって、前足の着地と後ろ足の親指付け根の踏ん張りと(これがしっかりあれば腰は入ります)、腹筋のしめで一気に体勢を前に振って突きを伸ばし(ちょっとくらいは前のめりになるほうがいいですが、お尻が後ろに抜けるほどやるとダメです)、直後に後ろ足の膝をひらくのとまた背筋側をぐっとしめて引き手をとって体勢を回復し、前手で防御動作か押さえをやって残心する、と言う感じでしょうか。背筋、腹筋ともに練習時に意識してやっておいて無意識でそうなるように体と約束しておく段階が必要で、グッとしめる、とかいちいち意識してたら試合では間に合わないかな、と思います。

間合いに入る、間合いをきる、という前後のフットワークの中でいけそうなタイミングを探るか、ちょっとずつ後ろ足をバレないように引き寄せて間合いを盗むか、とにかく速く継いで加速するか、スッ、ススス、と下からあおりながら詰めてしまうか、後ろ足をけんけんするような感じでいくか(1~2回)、突きの前の段階の寄せはいろいろあると思いますので、いろいろ練習することが大事かなと思います。ワンパターンの惰性のものはそれこそカウンターの餌食ですから。

フットワーク自体がおぼつかない、というのであれば縄跳びなどでまず基礎をつくることと、低く深く前方に、というのを体が嫌がるようなら、まだ足腰で出来ていないので、前屈立ちをより広く深く(後ろ足かかとは浮かして可)した状態で半身→正面と腰を入れながら頭の高さをかえずその体勢のままで逆突き(引き手まで)を何度もやるとか、もっと負荷をかけるなら深い後屈(もしくは猫足)から深い前屈になりながら後ろ足→前足、と体重移動もつけた逆突きの練習をされて、広く深く前に伸びるのが気持ち良い、くらいになるまで足腰つくっておく必要があります。カウンターと違う点はこの前方に重心が平行移動するあたりで、間合いに入る時点で低くいって下を取った上で、下方向ではなく前方に、とやらないと簡単に失速して伸びを欠くので、前に前にもっと前に、と意識して大きく速く広く深く練習するのが重要かな、と思います。