「極真空手・フルコン空手 「前蹴り」の技・テクニックのコツ・ポイント 11」のまとめです。
一緒に稽古している方たちにチェックをお願いすることです。
「蹴り脚そのものが遅いのか?。」、
「モーション全体が遅いのか?。」、
「いきなり出すと遅いのか、ある特定の動きの後に出すと遅いのか?。」、
「蹴り脚はまあまあだけど、初動が大きくて遅いのか?。」
「スピードが遅いのか、時間がかかっているのか?。」
最後は似ていますけど、違いが判りますか?。
等々、細かいチェックで問題点を洗い出すところからスタートです。
それが把握出来たら、教科書通りの問題点の修正と強化です。
さらにアレンジも試みます。
ここまでもれっきとした練習です。私のアレンジです。
「蹴り脚を抱え込みません」。
フルコンといえど基本稽古では例のアレをやる筈です。
膝を引き上げ、同時に踵は尻に付くように脚を折りたたむ。これで一挙動。
膝のスナップを使い腰を押し出してける。これで二挙動。
初心者は「一・二」の掛け声がある程です。
勿論すぐに一挙動で蹴れるようになったでしょう。これを捨てます(基本稽古ではちゃんとやって下さい。)。
映像なしにどんなフォームかは難しいのですが、ちょっとやってみて下さい。
私の練習法(というより体感を得るためのチェック法)です。
二・三歩離れた位置で壁の前に立ちます。
普通に壁に向かって歩きます。
脚が届く距離で(距離を調整して下さい。ちょっと遠いくらいで。)、脚を振り上げ壁を蹴ります。
蹴ると書きましたが、壁を蹴っ飛ばさないでください。ゆっくり自然に歩いている動作からシームレスに。
ここではまだ前蹴りは必要ありません。
まず前進していた体が、脚を振り上げた勢いで前に倒れそうになるのを壁に脚を着いて支えてる状態です。
蹴り脚を戻さず壁に寄り掛かって下さい。でもちゃんと中足でですよ。
この時の脚の動きが私の前蹴りの動きです(同じ前蹴りでも何タイプか用意してますが。)。
「倒れる!」と思ってとっさに出した脚が最速です。蹴り脚の速度ではなく、動きとして最速です(先程の違い、お解りになって戴けましたか?。)。
膝・足の軌道もタイミングも距離も角度も私と質問者様では違う筈です。でもその動きが質問者様にとっての自然な動きです。いろいろな理論があります。結果が同じでもアプローチの仕方で違いもあります。
唯一無二はありませんが、この蹴り(練習法)に関しては「自分が前蹴りを出しやすい、タイミング・距離・動きからいってみようよ」のアプローチです。続きです。
何となく体感出来たら、距離を縮めて(右足で蹴るとして)左脚支点で右脚を引いた状態から。
たとえ一歩(半歩?)でも歩く要領で、右脚を振り出し壁を蹴る。引いて戻す(蹴り脚をその場ですっと戻すのではなく、壁にもたれかかってる自身の体を壁を蹴った反動で戻す。)。
振り子のようにその場で繰り返します。
蹴れるようになったら強く壁を蹴ってみて下さい。ポイントはたとえその場でも「歩くつもりで、倒れこむつもりで」です。壁がなかったらむしろ倒れて下さい。
細かい理屈を後から言えば、このフォームではちゃんと体が前進している筈です。
上体が前掛かりになっている筈です。
体重が蹴り脚に乗っていて、なおかつ動きとして最速な筈です。「その場で空蹴り」との違いを意識して下さい。
このタイプの前蹴りでは意識は「振り上げる」で、「腿で引き上げる」、「足裏で床を蹴る」は感覚としては薄いと思います。
それらの配分も私と質問者様では違うので、工夫してみて下さい。
「振り上げる」、「腿で引き上げる」、「足首のバネで床を蹴る」等、普段ちゃんと意識出来てましたか?。
何故蹴り脚が上がっているのか、自分はどの力を大きく使っているのか?、あるいは使っていないのか?。
もう一度チェックしてみて下さい。繰り返します。
「万能な技はありません。唯一無二な技や練習法もありません。私とあなたは違います。」。
と意識するのも私の練習法です。