弓道 「手の内」の技・テクニックのコツ・ポイント 3

「弓道 「手の内」の技・テクニックのコツ・ポイント 3」のまとめです。

私は範士の先生に稽古つけていただいていますが、天文筋と小指は外竹から離さない、掌は、親指の付け根と掌根を近づけるように締めるとふっくらと卵を包むような手の内になります。

タコができたり硬くなったりするのは最初は仕方ないかも知れませんが、先生の弓手はとても柔らかでした。握りすぎだと思います。

天文筋は掌の、頭脳線と生命線を繋いだあたりです。小指は、第一関節が外竹にかかれば、弓が倒れなくなります。

教士七段の増渕先生の動画がわかりやすいと思います。

弓手の小指をしめることについて、わたしの先生は、指先の問題ではなく掌の問題であると言っています。親指と小指のそれぞれ掌から最初の関節同士を近づけることが大事と言っています。弓手も馬手も親指と小指の腹をつけるだけで、他の指の存在は忘れる。徒手でそのようにすると、腕から肩のどこを張ればいいのか少し分かった気になります。

タコについては私見ですが、それが同じ手の内を毎回作るための補助になるなら有ってもいいけど、逆に障りになるなら練習後のケアで無くす方がいいと思います。
わたしは時々削ってなくしていますよ。タコを挟んでしまって痛く感じますから。
高段の先生もタコについては、出来てしまうのは下手糞な証拠と言う方と、タコが出来るまでやらなければ甘っちょろいと言う方の半々かな。

手の内は大三で決めます。
同じく弓手の肘入れも大三で決めます。
この時の手の内は、親指の下側にウズラの卵を
一個入れたつもりで整えてください。
肘を入れたまま、かつ卵をつぶさないように
角見を利かせたまま引分け・会へと進みます。

これを意識して練習してみてください。

手の内を深く作る→大三に向けて親指を押し込む→親指の付け根が中指を押し出して妻揃えが崩れる→手の内の乱れ
このパターンが多いように思います。手の内を浅く作るのがコツかなと思います。

手の内は、小指引っ掛けて、弓手の脈所から親指の付け根で、弓の右の角を押す感じですね。
弓手全体で的を押さえる(押す)イメージで、会から残心まで弓手は動かしません。
(実際にはベクトルの関係で、後ろにこぶし一つ分ぐらい動きますが上下には動かしません。弓手の高さで真横から動画を撮って、動いてないかチェックすると良いです)

簡単なイメージを1つ。
油性マジック程度の大きさの棒状の物を地面に対して右手で垂直に浮かべます。
(鉛筆や箸でも良い。)
その垂直なペンに対して、「左手の小指の根元と、親指の根元の2つを触れさせて、その状態のまま手首を回転させ、その2点をしっかり密着させてください」
(指は真っ直ぐ伸ばした状態で、ペンは握らないこと)この時の親指と小指の感覚は普段弓を引いてる時に存在しますか?

小指の締めと言うのは、単に弓を支える点として、弓に常に触れている様にする為の表現です。小指の指部分を力を込めて巻きつける行為ではありません。本当に、単に弓に触れる程度でいいんです。
そして、手の内とは、手先の形だけで完結するものではなく、左手首、左肘、左の肩と最低でもこれだけの関節の向きによって形成されます。

この「関節の向き」を意識して工夫しましょう。
力ではありません。関節の向き、骨の向きを意識してください。
小指(天文筋)が離れる→肘入れの方向に手首ごと回転して小指が根元から離れてる。
こういう事だと思います。

●綺麗な手の内、正常な弓返りを目指すには。。

少しでも緩むのはダメです。

緩んで離れる射の弓手手の内の典型は、

会(締)⇒離れ(緩)⇒残心(締)です。

正常な手の内は、

会(緩)⇒離れ(締)⇒残心(締)です。

つまり、

会で握り込んだ手の内を離れの一瞬に緩ませて『弓返し』するのではなく、

会で余裕のある手の内を離れの瞬間に締めて、締めたときには既に『弓返り』は完了している。のです。。

そのためには『卵中の手の内』が必要です。

卵中の手の内とは、卵を落とさず割らずに包み込む様に手の内を作ること。

割らずに持つには握り締めることはできません。

コツとしては、手の内で卵のカラを作ることをイメージすることでしょうか。。
(手の内には軽く力を入れているのに、弓はある程度自由に動く)
(手の内に軽く力を入れているので、親指根元(虎口)が固くなっている。)

弓引きにとって手の内は一生研究といいます。