フェンシング 「コントルアタック」の技・テクニックのコツ・ポイント 1

「フェンシング 「コントルアタック」の技・テクニックのコツ・ポイント 1」のまとめです。

まあ一言で言えば、自分がイニシアチブを持ってやるコントルはいいということです。

敵をだますにはまず味方からというように、横から見ていてものその差はわかりづらいのですが、

相手が前に出る→つられて自分も下がる→相手のラインが空いた→コントル
は相手がイニシアチブ、主導権をもったコントルです。逆に、

自分から下がる→相手がつられて前に出る→自分がラインをあける→相手がつられてアタック、あるいはシャンゼ→でもラインをあけたのは誘いのフェイントだよ~ン、別なラインにコントル、あるいはエスキーヴ(体で回避)
は自分が主導権を持ったコントルです。

要するに相手と自分とどっちがつられて動いているか、フェイントにひっかかっているかが主導権のあるなしを判断する基準です。

シャンゼを誘ってコントルする場合は、下がると見せて急に止まる。アタック、クードロアを誘ってコントルする場合は動かないように見せて急に下がることが重要です。シャンゼに対して下がったり、クードロアに対して止まると普通にやられてしまいます。

急停止コントルとは用語で言えばアンリニュとかクードタンのような止まる、あるいは前に出るコントルですが、これを成功させるには相手のポイントが有効面からそれた瞬間に間合いをつめて、相手にパッセさせないといけません。で、自分からそのチャンスを作為するには、
●下がりながらウソバッテパラードやウソプレセをして相手にシャンゼさせる
●下がりながら自分がウソシャンゼをして相手にコントルシャンゼをさせる
●あるいはただ下がって間合い切るフリして、そのフェイントにひっかかってしつこくおっかけてきたら急停止してコントル
とかです。外上ラインに来たらしゃがむとか外下ラインにきたらのけぞるとか、内下ラインにきたら左向け左するとかもあります。

まっすぐ突いてきた場合は、あるいは手を引いていてもポイントがまっすぐ向いている場合には、間合いを詰めても突かれてフレーズ負けします。なので突いたあとに急に下がって空を切らせる「アレアンロンパン」にしないといけませんが、下がるのがバレバレだと当然相手も追ってきます。なのでちょっとバカなフリ、ちょっと反応がニブいフリをしないと相手が止まりません。

こういうコントルアタックを華麗に決めるには剣も軽く持ったほうが有利です。間合いが正確ならグリップを人差し指に乗せてバランスとるくらいで十分です。そのほうが相手も油断します。ただしポイントは確実に有効面に向けないといけません。

相手のペースで(苦し紛れに)出してはいけません。

日本の武道の言葉を借りれば「後の先(ゴノセン)」を取るのが「コントルアタック」です。
動きとしては相手より一瞬遅れているように見えますが、実は「先(セン)」を取っているわけです。

そのつど相手も違い対戦状況も刻一刻変わるもの、まして「タイミングをとる」というのは先天的な要素がきわめて大きい行為であるからです。
実戦で何度も試みて、失敗しながら体で覚える以外はないでしょう。
(能く能く鍛錬有るべし~五輪書ふうに言えば)