「極真空手 「下段回し蹴り(ローキック)」の技・テクニックのコツ・ポイント 1」のまとめです。
初めて極真に入門したころ(80年代後期)、バリエーションとして落すローを教えてもらいました。
当時は落すローを今よりは多くみたように思います。
しかしローの基本フォームとして指導されたわけではありません。あくまでバリエーションでした。
他のローに比べてモーションが大きいこと。相手が比較的腰を落としていて、前足に体重がかかっていないと(極端にいえば前屈立ちのような体勢)利かせづらい点で、現在はたまにしか使っていません。蹴り方について。
膝を抱えません。踵が尻につきません(つきそうになりません)。
空手の教本やビデオで紹介されているものに、多く見かけられるフォームですが、私は採用していません。
構えた状態の脚の脛部分を、そのまま相手にぶつけていく感じです(いや、多少は外回りますよ)。その代わり腰をしっかり切ります。
フォームは「いかにも空手の回し蹴り」ではありません。サッカーに近いくらいです。ぶっちゃけムエタイスタイルです。
軌道のイメージは野球のバッティングが近いです。
振り回してるじゃんという方。バットはグリップを支点にくるりと回っているわけではありません。
バッターのフォームを見て下さい。左腕は引かれ、右腕は押しています(右打者の場合)。
分解写真で見ると、バットはスライドしつつ円を描いています。
まあ全弾同じフォームではありません。何種類か使い分けますが、私の基本フォームという事です。気をつけている点。
便利で多用する武器ですので、だからこそしっかりと意識することです。
武器として使用できる面積が大きく、標的も大きいです。
物理的な距離・時間ともに小さく、極真ルールにあってはリスクも少なく低コスト。
なので何となく出してしまいがちです。
ハッキリと、捨てるロー・利かせるロー・倒すロー、と意識を分けています(未熟なため、ダメージもらったり、疲れたり、モチベーション下がったりで、実践できないことも多。)。
利かせたり倒したりはいいとして、捨てるロー。
次の自分の攻撃のために、予備動作を隠したり、意識をそらさせるために使います。
相手にベストな体制、間合いを取らせないために使います。
利かせる気も倒す気もないのに「攻めている」アピールをするために使います(ごめんなさい。やっぱりルールのある試合だし、勝ちたいし…。ほんとごめんなさい)。
どっちつかずにならないように、何が目的で出しているか自分でも判らない、という事が無いように気をつけています。蹴り方・気をつけている点共通。
「きおつけ」の姿勢で手の中指の先があたる太ももの場所。ここが狙うポイントだと教わりました。
そこを狙うようにしています。
痛い経験あり。実証済です。
痛さでダメージが溜まっていき、限界点で倒される。これが普通です。
ここのポイントは、喰らってみると判りますが、最初は激痛で倒れます。でも痛さが引いても脚に力が入りません。根性と気合と我慢ではどうにもならない種類のダメージで、脚に命令が届いていない感じです。
場合によっては「アレっ、たいして痛くないのに、立てない?」という事もありました。極真ではローの間合いは近めです(キックは顔面があるので少し遠い。飛び込んで、あるいは踏みこんでロー。そのあとパンチが多い)。
それでもローとパンチは若干間合いが違うので、出来るだけ手足4本を同時に使える間合いになるように調整しています。
なおかつ相手にとっては、手だけ脚だけしか使えない間合いだという事無し。
「間合い」は格闘技経験者が使う(何でもそれで片付けたがる)便利だけど解りづらい言葉なので、距離プラス角度の位置取りで、ポジショニングだよと言えばみんなに解ってもらいやすいでしょうか(「間合い」という言葉を使っている諸兄、揶揄しているわけではありませんので、気になさらずに。)。やや前掛かりになっている組手の方が、極真タイプのローは使いやすいと思います。落すローも混ぜていきやすいし、蹴り上げ気味の内股ローも出しやすいです。
やや前傾した上体を、パンチを引くタイミングに合わせて起こし、腰を前に突き出し、ローを出す(文章上は冗長だが、動作は同時です。)。巧くモーションを隠せるし、重心移動も無理がありません。