少林寺拳法 「突き(縦拳)」の技・テクニックのコツ・ポイント 2

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●縦拳について

少林寺拳法は中国武術の理合が入っていると思いますので、地面への強烈な踏み込み、地面からの反作用、この力を通すにはそのフォームのほうが流れがいい、という事ではないでしょうか。
下方から上方に向けて打つ感じで、窮屈だと感じられるのであれば、馬歩の状態を力まず世間話しながら出来るくらいの足腰をつくる必要があるのではないでしょうか。

空手には示現流の影響か、地面の反作用よりも、落下する質量を技に乗せる、という前拍の用法なので、捻り込む、落とし込む、といった使い方をする為に、拳を回転させる場合が多いです。
下方から上方に打つ時にはやはりあまり回転させません。

また、下方から上方に力を流すのに、拳のつくり(接触面)を人差し指側にしたのでは流れが滞る、という事もあるかと思います。

ただ、これは一つの基本であって、その突き方しかできない、というのでは役に立たないでしょうし、その突きを発する以前の歩法や間合いのつくりが充分でなければ、踏み込みが予備動作となってテレフォンパンチになるので、基本でありながら最も難しい用法と言えるのではないでしょうか。

より簡単で安易に修得できる用法を考えれば、ボクシングのストレートなどを参考にしたほうがいいのは間違いないですが、これは簡単に手に入る分、体力・筋力の低下とともに簡単に失うもの、と思います。
一生かけるには無理がある、値しない、というのは、ボクシングを50歳越えてもやっている、という人がほとんど存在しない事でもあきらかでしょう。

筋力ではなく、重力や反作用などを自身の運動エネルギーに変換できるように、とやっていけば、突く以前に「強く突こう」などという邪念からも解放されますし、動きも軟らかく自然体になりますし、相手がよく観えるようになりますし、細かい事をとことん気にしているようで、拘らない、という感じになれるのではないかと思っています。

縦拳でも人差し指と中指の部分を使うように、と指導を受けてきました。

縦拳だと、肘が下を向いたまま直線的な突きを放つので、
突いた後の戻りが早いです。

横拳(伏拳)は、構えの状態だと肘は下を向いていますが、突く時には肘は横を向きます。
ですから、フック等の曲線を描く突きを放ちやすいです。

昔聞いた話ですと、そちらの縦のほうが面積が狭いため、圧力が思いっきりかかるとか。
そのため威力が横よりも増すと聞きました。