ムエタイ 「ミドルキック」の技・テクニックのコツ・ポイント 2

「ムエタイ 「ミドルキック」の技・テクニックのコツ・ポイント 2」のまとめです。

「鞭のように・・・」は、よくムエタイの蹴りの形容として登場します。
一本調子で棒状に外からやってくればキャッチも容易です。
しかしまさに鞭の先端です。
膝や腿に隠れてやって来て、見えた瞬間には脛がヒットしています。
では膝を抱え込み、膝のスナップで蹴る空手はどうかと言われれば・・・違います(全ての流派・個人がこのタイプの蹴りではありません。)。
これは速度が一様です。
一様というのはモーション全体が同じ速度ではなく、加速はしているのですが加速の加減が一様です。
ムエタイの蹴りは加速しているのですが、インパクト直前からインパクトの間がさらに加速します。

軌道面も挙げることが出来ます。
下から要素が強く腰で返して、結果回し蹴りになります。
脚自体は横から回す感覚はなく、跳ね上がる感じです。
面でやってくれば捉えやすい(予測しやすい)のですが、より立体的な軌道と言えます。

もう一つは受ける側の事情です。

攻撃優先です。
パンチとキックを用意をしていますから、キャッチの選択肢は順位として低いです。
それぞれ準備が違いますから、兼ねられれば良いですが兼ねられない以上、パンチ・キックで攻撃・反撃が優先されます。
「掛け廻し」等の技術が使えればそれが最善ですが、「掛け」が効きづらいタイプの蹴りと戦術です。
キャッチに行っても被弾と変わらない結果が多いです。
出来ないことはありませんが、「難しい」ということです。

とはいえ得意な選手もいます。
「蹴りがやってきた。キャッチ。」ではなく、予備動作やコンビの流れを読むのに長けている選手です。
インパクトゾーンからずれた位置で受けます。
ハートが強く、蹴り足のやってくる方向に出ます。最後の加速前に捉えるタイプ。
またはフォロースルーを受けるタイプ。
受けたら反撃しなければ意味がありませんから「下がって出る」の強靭な切り返しが必要になります。

前後しますがインパクトゾーンが広いのも特徴です。
ある点や面に叩きつける空手の蹴りと違って、ある程度はインパクトゾーンに幅があります(比べればですよ。)。
ここもキャッチしにくい点だと思います。

単純な蹴り足そのものの速度、あるいはモーション全体にかかる時間なら伝統派の蹴りも互角以上だと思います。
それだけではないということです。

下からすりあげるように来るミドルはつかまえる事ができますが、落ちてくるミドルはブロックしかできません。

ムエタイの選手でもヨーロッパとかアメリカのキックの選手でパンチが強い選手と戦う時などは、腕の上からかぶせるように蹴っているのがわかります。

相手の腕を殺そうとしているのだと思います。