中国拳法・武術 「太極拳」の技・テクニックのコツ・ポイント 3

「中国拳法・武術 「太極拳」の技・テクニックのコツ・ポイント 3」のまとめです。

基本功から入られるのがよろしいかと思います。
初歩の段階でパンチの練習など無意味です。
太極拳は意識や気を重視するので、他の格闘技と異なり、ゆっくりした動作で無駄に筋肉に頼らない練習をします。
私の場合、まず、足首、膝、腰、肩、肘、首手首、指などの体の関節を3軸方向に柔軟に動かすストレッチをします。
スクールや道場なんかでは、八段錦や十六連功のような気功体操をされると思います。
次に、立禅または站椿功といった立ったまま動かず、以下の三調の練習をします。これは気功の練習です。
調身・・・姿勢を整えること
調息・・・呼吸を整える
調心・・・心を整える
尻の穴を締めると臍が上を向け、そのままじっとして、調身・調息・調心をし、丹田で静かに複式呼吸をします。
目は平視します。
1点に焦点を集中して見ないで視野を広げてボーっと見ます。
呼吸は逆複式呼吸が良いですが、難しければ順複式呼吸で構いません。
最初は、雑念が浮かびますが、無理に払おうとぜず、自然に任せます。心の中で静かに数を数えてもいいです。
時間は、5分くらいから始めて、30分くらいまでできるようになれば、よろしいかと思います。

次に、「スワイショウ」といって、体の力を抜き、丹田を意識しつつ、でんでん太鼓のように体軸を垂直にし、腰を中心に回転し両手を振り回します。
放 鬆(ファンソン)と言って、体から無駄な筋力が抜けるようにします。これをやると腰がベアリングの様に回転するようになります。

これらの練習は3ヶ月ほど毎日続けると効果が出ます。道場でなくても、自宅で練習できますし。
そのほかにも体の各部を個別に鍛える練習はあります。参考となる本は、「太極拳基礎講座~基本功と簡化二十四式太極拳」が分かり易いです。

24式とう路については、健康太極拳と制定太極拳では動作がことなりますが、制定太極拳なら、「手にとるようにわかる二十四式太極拳」や「ひとりでできる太極拳健康法」が分かり易いです。
24式とう路は、3ヶ月もあればひととおり覚えられると思います。
ネット上でもYOU-TUBEなどいくらでも出てきますので、毎日練習されることをお勧めします。
ただし、映像の中の細かな形まで真似しようと思わず自分の体の動きに合った練習をすることです。
まず、一通りにとう路を覚えないと、細かな手足の所作まで見たり気をつける余裕がありません。
体の無駄な力を抜いたスローモーションのようなゆっくりした正確な動作が速い動作の基本だということです。
見た目に速い動作はゴマカシがききますが、ゆっくりした動作はゴマカシがききません。

太極拳は気功などの内功を重視した武術ですので、突いたり蹴ったりの格闘技らしい見た目のカッコイイ練習ばかりをしても上達は望めません。

家で練習するなら、立禅やスワイショウ、圧腿などに加えて、場所があるなら習ったところの反復練習、場所がないなら手形だけの練習などをすると良いでしょう。
パンチは練習する必要はありません(やらない方がいいです)。

太極拳をやるコツは焦らずゆっくりと長く続けることです。
早く覚えようとあせる必要はありません。