中国拳法・武術 「太極拳」の技・テクニックのコツ・ポイント 2

「中国拳法・武術 「太極拳」の技・テクニックのコツ・ポイント 2」のまとめです。

戦闘式の太極拳と限定して申し上げます。取り敢えずは、(わたくしの概念での)武術基本功(拉筋等)はどちらでも構いません。しかし門派に付随した基本功は絶対に必要なものです。

この基本功は1つか2つか多くても3つ程度しかありません。わたくしの学んだ基本功は物凄く簡素に言えば「鬆身功」と「(太極)内功」の二つです。套路も段階を追って繰り返し打ちますが、特に重要な動きを抜粋して繰り返します。これは太極拳の内勁を体得しようとするものです。その意味ではこれも基本功と数える場合があります。

呉式・郝式・和式・楊式・陳式(その他)、それぞれ基本功には出入りはありますが、内功を練って太極拳図説にあるような四肢と体幹を連動して繋げるものはどれも不可欠です。そして一旦内功が身に付くと一生離れない宝となります。功夫とはこの力とエネルギーの程度と捉えている古老(老師)もいます。実際内功が完成している者には普通の打撃は効きません。質的には違いますが硬功も加味しているものです。また勁功としての打撃は最終的に「冷」となります。「冷」での打撃を受けると得心している者なら実際冷たく感じます。それは敵内部に止める勁力に他なりません。

内功には皮膚⇒筋⇒骨⇒髄⇒髄核と進めますが才能のあるものでも3年程度はかかります。ここまでの段階に到達している方は非常に希です。内功には、実はまるで外功の様なものから入り、そして内功に至るものが多いとわたくしには感じられます。寒い冬場でも5分も行えば油汗が噴出するような功法です。この練功法が付設している場合が戦闘式の真伝で、一般的には学生には套路は教えても内門(入室弟子等)にいなければ基本功は教えません。特に秘匿されているものです。

それから多くの太極拳の場合は「站椿」は例外もありますが原則は基本功ではありません。やらない一派もありますし、歴史を紐解くと陳家溝に伝わった站椿は意拳大成拳から取り入れたものばかりです。只、形意拳などを加味した孫式では基本功とされています。

鄭子太極拳では「鬆身五法」(更に別法二法の7つの動作)で脱力を促しますが、この「「鬆身」の方法は難しいものです。古義の太極拳ではとても重視しますが、現代に流布している太極拳では重視しないか不完全な為に本来の太極拳の勁力がだせません。ただし鄭子太極拳の発勁法は他派と比べ(分かってしまえば纏絲勁は見られず)単刀直入であり、37ステップの套路も同等以上に緻密に練功致します。

そもそも古くから密かに伝わってきた太極拳の套路は「気功」そのものです。道家の秘伝も加わりますが、全身に気血が周ると筋が柔靭になり太極拳ならではの柔軟性も増します。そんなこんなで冒頭で拉筋のような基本功は必要がないのです。逆に太極拳ならではの基本功なしでは演武(≒踊り)はできても戦闘は不可能です。

その意味では、制定拳としてのまとめられた四十二式太極拳(総合太極拳)・二十四式の簡化太極拳・楊澄甫が改変した八十八式太極拳・陳家、呉式、孫式の動作を取り入れ作られた新々の四十八式太極拳などを主流として教えてお見えの先生方からはまず本来ある戦闘式の太極拳の基本功は学べないことになります。また古伝の套路にみえてそうでは無く改変・改悪された太極拳を教えている方もいます。同様に真正の錬功法は学べません。

武縁を信じて古義の伝承に当たることです。

基本功は大事ですよ。
表演太極拳だと形だけなので講師と言えど太極拳を理解出来ていないので説明するのは無理でしょう。
でも太極拳的な体を作るのは基本功と套路です。
いきなり套路をするのと、基本功をやってからするのでは全然違います。
水道管やガス管の元栓を開ける様なものだと習いました。
違いが分からないなら正しくない事をしているか、量が足りないのです。

私も体が硬いので蹴りは高く上がりません。
バレリーナや表演太極拳の人はすごく足が上がりますが、武術・武道の太極拳を見ていると強い人でもあんなに高く上がっていません(又は上げません)。
太極拳は力で動く訳ではありませんし、高く上げると時間が掛かるので実践的ではありません。
何より脚の裏の筋が伸びてしまうので気が止まってしまいますからね。