剣道 「面打ち」の技・テクニックのコツ・ポイント 17

「剣道 「面打ち」の技・テクニックのコツ・ポイント 17」のまとめです。

大きい面打ち、小さい面打ちともに、基本的には同じだと思います。竹刀の振りかぶり、振り幅が違うだけです。

そして最終的な打突時(フィニッシュの形)は、同じ形、同じ打突力になります。

大きい打ちだからしっかり打てる、小さい打ちだから、打突が弱いでは駄目です。小さい打ち方でも手首手の内を使って、しっかり打てないといけません。

また、大きい打ち方は上から打つと思いますが、小さい打ちも小さい打ち方で上から打つような形でないと駄目だと思います。

ややもすると構えたところから、下から上に手元を上げる中でこすり当てて行くような打ちになりかねません。

かといって大きく打っていては間に合いませんので、小さい面打ちでも必要最小限剣先を振り上げて、上から下の打突を心掛けることが大切だと私は思います。

それと、振りかぶりと足を出すタイミングですが、振りかぶってから足を出すのも、足が先に出て振りかぶるのも、どちらも正しいと思います。

素振りの方法としても、三拳動(振りかぶってから足を出す)、二挙動(振りかぶりながら足を出す)の素振りがありますので…。

ただし、大きい振りかぶりと踏み込み足を、打突の始動から合わせようとすると無理があると思います。送り足なら可能ですが、距離を素早く詰める技術、踏み込み足では出来ないことは無いですがかなり難しいですし、無理があると思います。

右足の出すタイミングですが、私は基本的には小さい面打ちを出す時は、手と右足を同時に前に出すような気持で技を出しています。

右足を浮かしながら間を詰めて小さく打つ方法は、もう打ち方の方法ではなく攻め方の方法➕打ち方だと思います。そこを分けて考えないといけないと思います。

私も攻めと言う意味で右足だけ浮かして先に前に出しつつ相手の反応を見て技を出す事も有りますし、相手を誘い出すのを目的に右足だけを少し出す事も有ります。(私の場合は右足を浮かすより、右足だけ少し出す事の方が多いです。)

また、逆に足より先に剣先を少し上げて相手の反応を見る事も有ります。剣先を下に下げ、反応を見る事も有ります。

要は、構えから右足を(浮かせて)出すという事は、相手の構えをどうやって攻めて崩すか、引き出すかの方法の一つです。

手より先に右足を浮かせておいて技を出せば起こりを分かりにくくする要素もあるでしょう。相手の構えを崩す事、技を引き出す事だけでなく、相手が反応出来ない入り方も攻めだと思いますので、それも一つの方法でしょう。

ただ、この方法に限らずですが、相手が強ければ、同じ事を何度か繰り返せば、その起こりを読まれて打たれるでしょう。そこを読まれている事を察して、その一歩先なり、裏を読んで技を出せれば、更に一枚上手ですが…。

ですから、基本打ちとして正しい形をあえて言うならば、大きい面打ちは技が届く所で振りかぶってから足を出して打ち、小さい面打ちは手と足を同時に出すような気持で技を出すべきだと思います。

その手と足を同時に出す指導法の一つとして、打ち気が先に出て手が先に行ってしまいがちになるので「足の方を手より先に出しなさい」と言う教えがあるのだと思います。もちろん、その言葉通り足を手より少し先に出して打った方が良いと考えている先生もいらっしゃると思います。

あとは、くどいようですが攻め➕打突と分けて考えるべきです。なかなか、「ヤー」と気合を発して技を出しても打てませんので…。技を出す前の造り(攻め)の工夫だと思います。

その攻めを「足」で体現するのか、「剣先」で体現するのか…、そのときによってベストな方法は違うと思います。

また、攻めの一番難しい所は、相手によって通用する攻めが違うという事と、同じ相手でも同じ攻めが通用する時と通用しない時があるという事でしょうか…。

●初心者向け

竹刀は、左手で振りかぶって左手で振り下ろします。
構えの時に、左手はおへその前あたり、身体の中心に置くように教えられたと思いますが、左手を身体の中心から外さず、まっすぐ振りかぶりまっすぐ振り下ろします。
この時、初心者がまっすぐ振りかぶりまっすぐ振り下ろせないのは、右手に力が入っているからです。
竹刀は、左手でしっかりと握り、右手は添えるだけなので、右手に力が入らないように注意してください。

振りかぶってから振り下ろす時、これも一つコツがあります。
手の内、と言って手首を内側にしぼる動作です。
ぞうきんを竹刀に見立てて持って、内側にしぼる感覚、とよく言われています。
これを、竹刀を振り下ろす時に、右手に力が入らないよう、キュッと内側にしぼります。
すると、ただ面に当たっただけの時とは違う、しっかりとした音がなります。

手の内は突然できるようにはならないので、素振りの時から意識してやってみてください。だんだんできるようになると思います。

足さばきについては、
左足に重心をおき、それを利用して強く床を蹴って身体を前へ押し出します。
踏み込みも習ったと思いますが、かかとから着くとかかとを痛めるので指と土踏まずの真ん中のふっくらとした部分で着くといいです。