伝統空手 「形(型)」の技・テクニックのコツ・ポイント 4

「伝統空手 「形(型)」の技・テクニックのコツ・ポイント 4」のまとめです。

実際に伝統空手の形競技を専門にやっている者です。

力をどこで入れるかについてですが技によってや体の部位によって入れるタイミングは私は違うと考えています。例えば前屈立ち前進の順突き(追い突き)では足の極めのタイミングはほんの少し手より早く極めることで突きの勢い、実践的なことを言えばより相手に力が伝わることなどもあります。

話がずれてしまいましたが私は単純に突きや受けだけを行うのなら10で力を込めるべきだと思います。この力を込めるというのも技がこもってしまう原因になるので力を相手に飛ばすくらいの意識が良いと思います。
1の初動の意識は力を込めるというより肩甲骨や背中を上手に使ってスムーズに動かすほうが良いと思います。8や9では中途半端ではないのかなと私は考えます。極論を言えば1~10全部なのかもしれませんけどね。

以上より私は10で力を飛ばすということが大事だという意見です。

形競技における形の選択ににおいて重要なのは加点を狙うことでも減点を防ぐことでもないのではと私は思います。以下に記すのは全空連の競技規定に記されている判定基準の抜粋です。

・本来の意味での形の演武
・分解の理解度
・良いタイミング、リズム、スピード、バランス、極め
・極めに必要な正確で適切な呼吸(むやみに大きい呼吸音はマイナス要因とする)
・着眼および集中力
・適切な足の緊張を伴う正確な立ち方
・腹部の適度な緊張、また腰の上下の動きがないこと
・演武する流派の基本
・その他、内面的な目に見えないものを評価する
・初めの2回戦において形に変形があった場合、失格となる

これを読んでもらってお分かりになるかと思いますが、大事なのは自分が選ぼうとしている形をどれだけ正しく理解をして正しく演武できるかどうかです。ですから「減点を防ぐ」もしくは「加点を狙う」という観点の考え方ではなく自分が全てにおいて正確に演武できる。もしくはそれに近い完成度の形はどれなんだという観点で考えるべきなのではないでしょうか。

難易度の高いとされる形で旗が上がりやすいという傾向は現在行われている競技の中では否めないところで、そうした考え方になるのも理解ができます。ですが、加点・減点を考える前に正しく理解をして正しく演武できる形を増やすことに努める方が私は良いと思うのです。

お求めになられていたお答えと遠いようでしたらお許しくださいませ。

全空連全国組手、地区形審判員より。

旗式は、相手より優れている(キレ、腰の安定性、技の理解度、緩急強弱など)を出す事が必要です。

得点式は、基準点(7.0点)を下回らない慎重な演武を打つのが必要です。

得点式だと審判によっては、運足しか見なかったり、帯(腰が浮いたり沈んだり)だけみたり、過度な息吹(スッ!ハッ!)に減点をしたりする審判がいるので、お手本的な形を打ちましょう。

形は最低3つは用意しておきたいですね。

まずは得意形。
これは、難易度お高目って言われている形の中から選ぶ上で何が一番大事って回数こなしてることが一番大事。
脳内と筋肉の動きだけで寝てても反復するくらいやってる形。年齢にもよりますが最低でも数千回はやってる形。
まぁ、壮鎮、雲手、五十四歩小でしょう。

次が指定形でもお馴染みの
慈恩、観空大
これは、もう稽古に行ったら最低二回は打って欲しい。黒帯の平安初段。
ただ、実は慈恩が相当難しい。

もう一つが、実は一番大事な勝負形。
燕飛、岩鶴、観空小(あんまり人気ない十手)
比較的回数はやれない。ていうか、やってない形の中で選ばなきゃならないので相当ハイリスク。トーナメント上位者と一番差が付く形。

それぞれのジャンルから一つだけ選んでいって組合せを考えます。
多くの場合は師範が選び、稽古させます。
(自分でやりたい方と、持ち味を生かせる形って大概違うので)

スピードとキレで勝負するタイプなら、
観空大→燕飛→雲手

極めと力強さで勝負出来るなら
慈恩→観空小→壮鎮

みたいに。
一番やっては、いけないのは
観空大→燕飛→壮鎮とか慈恩→燕飛→観空小とかの、自分の良さが出しきれないパターン。
ただ、加失点をどうこうするとか、相手によって打つ形を変えるとかって、そりゃ全日本トップクラスがやるなら格好も良いですけど、一般人が稽古するなら、まぁ、止めた方が無難です。逆に下手になるかもしれません。

結局形の試合なんてどれだけ自分に酔えるかが勝負なんで自己評価が一番大事だと思ってます。
ましてや採点に形自体にの基準点設けている先生なんて大した目がない先生なんで気にしちゃ絶対だめ。
学生じゃねぇんですから、加点失点なんて小さい事いってないで、ドーン、バーンと強く豪気に楽しく打てればよいかと。
それが、結果に出てくるとおもいます。