フェンシング 「エペ」の技・テクニックのコツ・ポイント(2015・2016年版) 1

「フェンシング 「エペ」の技・テクニックのコツ・ポイント(2015・2016年版) 1」のまとめです。

エペのコツというか基本は、まず自分の剣の剣先、ポイントを相手のオワンガードの真ん中に向けることです。

自分の剣のオワンはなるべく外側、右利きなら右側にして、初心者は高く構えるのが基本です。慣れてくれば低く構えることもあります。

基本は攻撃より防御重視で、防御は払わないで突くカウンターが中心です。

特に相手が手首を突いてくるときは、ほとんどカウンターで防御し、相手が胴体を突いてきたときには払って守ります。

払う動作はオワンを上下左右に回して相手の剣先を払う巻き、プリーズドフェールが基本です。相手の動作に応じて右回りに回したり、左回りにしたりします。相手の剣先をこちらのオワンのフチに乗せて回して突きます。

これは攻撃の動作にも応用できます。相手の剣を叩いて突くのは、比較的危険であり、逆に相手がそうしてきたときはカウンターのチャンスです。

相手に剣先を巻かれた場合は、剣先をすばやく小さく回してはずして突きます。なるべく指の動作だけで剣先を動かすのが基本です。剣先は一回転したあとで同じところで止まるように練習します。二回巻かれたらこちらも二回回します。

相手が足を突いてきたときは、両足をそろえてかわして、相手のマスクをカウンターで突くのが基本です。もちろん腕や胴体でもいいです。

相手が剣先を外にそらしているときは、こちらが相手の足を突くチャンスです。床に靴でも置いて、それを突く練習をしましょう。

慣れてきたら、たまに低く構えて、下から相手の手首を突いたり、下から角度を突けて胴体を突きます。特に背の低い人はこっちの方が有利です。背の高い人でも相手の意表をつくためにたまにそうします。

エペは攻撃も、防御も二段階と考えてください。一が小手、手首で、二が胴体です。

防御はまず角度をつけて小手・手首へのカウンター、コントルを狙うのが基本です。相手が腕を曲げて出たときだけ、まっすぐ小手を突けます。

手首へのカウンターが外れた、あるいはかわされた場合には、相手の剣をガードを回して、上か下に払って、シクストかオクターブで突きます。相手が腕を曲げてさらに前へ出たらパラードせずに剣先を残して突きます。ルミーズです。

相手がこれを剣先を回して外そうとした場合、デガジェした場合は、ガードを回す方向を逆にします。あるいは同じ方向に二回まわします。プリーズドフェールのリポストです。

相手がリポストをパラードで止めようとしたらデガジェかクーペで上か下に外します。リポストデガジェ、リポストクーペです。

エペの駆け引きは、ジャンケンに似たところがあります。

グーにはパー、チョキにはグー、パーにはチョキという具合です。

グーにパーで勝ったからといって、チョキにパーを出してはいけません。

相手の背が自分より高いときと、自分より低いときでは、使える動作もいろいろ変ります。

一点目を取った技で、二点目も取れるとは限りません。一点目を取った技は、二点目では使えない可能性が大です。

つまり相手も攻め方や守り方を、試合中に変えてきます。

あるいは一点目を取った技が二点目で使えなくても、四点目では使えるということもあります。

練習のときから、5点取るための練習、あるいは15点取るための練習をしないといけません。

相手が試合途中に攻め方や守り方を変えても、それさえも想定内、予想の範囲内、というような練習をしないといけません。

そのためには、練習中から、いろいろと攻め方や、守り方を変えて練習する必要があります。

自分の得意技、やりやすい動作だけでなく、苦手な技をいろいろと試しに練習してみることも大事でしょう。練習での勝敗よりも、試合での勝敗の方が重要です。

エペの試合で一番重要なのは、とにかく5本目、あるいは15本目を先に取ることです。極端な話、あとは全部同時突きでもいいのです。

もっとも実際には全部同時突きというのは逆に難しいので、極力先に相手を突く方が有利です。

あとは接近戦の練習も非常に重要です。接近戦の一点、二点で勝敗が決まる場合もよくあります。上から、下から、横から、とにかく相手より先に突く練習をしましょう。

エペですから足を突く練習や、足を突かれたときにそれをかわす練習もやったほうがいいでしょう。

より高度なエペの練習は、連続技の練習です。小手→足→胴、足→小手→胴→接近技、マルシェ→ファント→フレッシュ、シクスト→オクターブ→コントルオクターブ→コントルシクスト、というように最初はゆっくりでもいいので動作を連続して練習します。

もちろん基礎体力がないと、すぐに息が詰まって姿勢が崩れます。

なかなか大変ですが、こういう練習を反復すると、最初の攻め技や、返し技が失敗しても、さらに続けて技を繰り出せます。上級者同士のエペの試合は、一回で動作が終わりません。

指導者がいない場合は、基本的で簡単な動作でもいいので連続して練習したほうがいいでしょう。小手→足→胴→フレッシュ→接近技、くらいは初心者同士でもがんばればできないことはありません。相手は手は普通に構えて、足だけ前後に動かしていればいいのです。

応用として、相手がときどき極端に低く構えるとか、極端に高く構えるとかしてもいいでしょう。

優秀な指導者がいないと練習できないような高等な技は、とりあえずあきらめて捨てて・・、現状の練習環境でできる練習を工夫、応用するしかありません。

優秀な指導者がいないと練習できないような高等な技で点を取られた場合は、すぐにあきらめて忘れて・・・、足とかフレッシュとか、優秀な指導者がいなくても練習できる単純な技をすばやく正確に、あるいは気合で強引に決めて逆転することを考えましょう。

駈け引きとは、日本語としての意味を考えれば、駈けは前進、引きは後退、つまり単純にいえば、前進後退です。

つまりエペで言えば試合中に、前進したり後退したりを、巧妙に組み合わせるということです。

駆け引きのないエペの試合とは、体力のあるときはただ一方的に攻めるだけ、疲れたら一方的に守るだけ、動作をただ速く、強く、背が高くて、腕が長くて、腕力脚力体力のある方が有利で勝つ、というような単純な、体力勝負、体格勝負、スピード勝負のエペです。

しかし仮に自分が背の高い、体力十分の選手でも、試合では自分よりさらに背の高い相手や、自分より体力のある相手と当たる場合もあります。

こういう場合、駆け引きのない、単純な練習しかしていない選手は、なすすべもありません。

駆け引きのあるエペの試合とは、全てその真逆です。

一方的に攻めない、一方的に守らない、場合によっては疲れていても攻める、場合によっては疲れてなくても体力を温存する、身長や、リーチ、腕力脚力体力だけに頼らない、わざと遅く、弱く動作することもある、というような試合です。

一種の心理戦です。

フレンチは距離をとって抜いたり、残したりするのが基本ですが、場合によっては自分からフレンチでガッツンガッツン相手の剣を叩くとか、逆に自分から距離をつめて接近戦に誘うという手もあります。

あるいはフレンチであれば、相手に気付かれないように、短く持ったり、長く戻したり、というのも基本です。

必ずしもフレンチだから、リーチを生かした戦い方、とは限りません。

背の高い選手が、背の低い選手の得意技を練習するというのも、駆け引きとしては役に立ちます。背の低い選手は意表をつかれます。

また背の低い選手の技は、自分より背の高い選手に対してはむしろ有利です。

自分よりスピードのある選手に対しては、スピードに頼る技は使えません。そうなった場合も駆け引きは重要です。

自分よりスピードやリーチのある選手でも、苦手な動作、ラインがある場合は、そこが弱点になります。相手が接近戦が苦手な場合は、そこが活路になります。

フットワークは速いが下からのルミーズに弱いというような選手もいます。相手にとって想定外の動作をすることが重要です。

もちろんなんでも変則的、ヘンテコな動作にすればいいというものでももちろんなく、それなりに理にかなった応用動作をすることが重要です。

エペの場合は、相手の力、勢いを逆利用したような動作も非常に多いのが特徴です。相手に自分の剣を叩かせて、その叩いた力を利用して自分の剣先を回して抜く、という技もあります。

相手は剣を叩いたり、押さえたりする力が強ければ強いほど、外されたり抜かれたりした場合に姿勢やバランスが崩れて、隙が大きくなります。もちろん逆に自分もそうです。

そうならないためには、強すぎず、弱すぎず、速すぎず、遅すぎず、という感じで動くのが理想です。

「フェンシング 「エペ」の技・テクニックのコツ・ポイント(2015・2016年版) 2」のまとめです。

相手の見方については、おおまかに言って、足の見方と手・剣先の見方があります。

足の見方とは、大きく三つにわけて、出るのか、下がるのか、止まるのかです。小さくわけると歩幅や、スピード、リズムなどがあります。

手・剣先(ポイント)の見方とは、大きく三つにわけると、剣先を残すのか、こちらの剣先を払うのか、こっちが払おうとする刃やつばを抜くのかです。小さく分けると、こっちのどこを突こうとしているのか、どういうタイミングで突こうとしているのか、というのがあります。

突く場所はだいたいは胴か、腕ですが、不意打ちとして、足や面があります。

小さく分けるのは応用で難しいので、基本として大きく分ける方だけ説明します。

そうすると足は、出る・下がる・止まるの三つであり、手は残す・払う・抜くの三つです。

この相手の手足の動作は、当然こちらの姿勢や動作に対応しているもので、慣れてくるとある程度予想できます。

こちらが下がりながら残せば、相手は当然前に出ながら払ってきます。それを予想した場合は、こちらはそれを抜いて残します。相手が剣先を残して、つまり手をまっすぐにして前に出れば、こちらはそれを上下か、左右に払って突きます。

相手が大きく下がる場合は、こちらは深く追いかけて突く必要があります。相手が剣先を残した場合は払い、あるいは叩いて突き、こちらの剣を払おうとしている場合は、剣先を回してそれを抜いて突きます。

相手が止まる場合は、一歩で一気に踏み込んで突きます。

さらに慣れてきた場合は、こちらからいろいろとフェイントを仕掛けます。これも手足の動作の組み合わせです。

足でいえば、出ると見せて止まる、止まると見せて油断させて出る、下がると見せて止まる、止まると見せて下がる、下がると見せて出る、出ると見せて下がる、などを不規則に繰り返して、相手を動揺させます。

しかし足腰を鍛えてなかったり、姿勢が悪かったり、相手をよく見てなかったり、動作に無駄が多いと、先にこっちが動揺します(笑)

手でいえば、残すと見せて抜く、払うと見せて残す、抜くと見せて残す、残すと見せて払う、上に払うと見せて下に払う、右に払うと見せて左に払う、面を突くと見せて足を突く、足を突くと見せて面を突く、胴を突くと見せて腕を突く、腕を突くと見せて胴を突くなどです。

これらの動作は、相手がどう反応するかで、選択しないといけませんが、相手の性格などを見てある程度反応を予想できる場合もあります。

逃げ腰の相手なら下がることが多く、ガムシャラの相手なら出ることが多く、余裕かましている相手なら立ち止まっていることが多いのです。

あるいは試合中の得点差にもよります。勝ってる相手なら下がる確率が高く、負けてる相手なら出る確率が高いのです。

体形や構え、使っているグリップでもいろいろ予想できます。長身の手足の長い相手やフレンチ長持ちの相手なら残すことが多く、背の低い腕や足の短い相手、ベルギアンの相手なら払うことが多いです。

高い構えか、低い構えかでも、ある程度選択肢を絞れます。経験を積むと目つきや顔つき、どうでもいいしぐさなどでいろいろとわかる場合もあるでしょう。

これらは単純なようでいろいろと複雑なので、練習の時は頭でよく考えて体感で覚え、試合中は直感で判断し、自動的に行動するしかありません。

ああいう奴にはああして勝った、とか、ああいう奴にああして負けた、みたいな過去の試合経験を積み重ねると、難しく考えなくても、体が勝手に動くようになるでしょう。

しかしぜんぜん見たことのないタイプの相手に遭遇したときは、やっぱりまた一から頭を使って戦うしかありません。