合気道 「入身投げ」の技・テクニックのコツ・ポイント 1

「合気道 「入身投げ」の技・テクニックのコツ・ポイント 1」のまとめです。

表の場合、自分より大きな仕手に入り身で貼りつく場合、仕手とすれすれの位置で、仕手を崩そうと上体をのけぞらせると、自分の方が崩れてしまいます。

仕手が打ち込む拍子で入り身をするのは同じですが、すれすれではなく隙間が多めになるように入って、奥襟を取り、自分の肩に引き込む事で大きく崩す事が出来ます。
この肩に引き込む動きを「相手を抱えるように貼りつく」と表現しているのではないでしょうか?

裏の場合、仕手が足の動きを緩め、足が頭の手前にあるうちの上体が起き上がってしまうと、技がかかりません。

仕手の足の動きを緩めさせず、仕手の上体が伸びきる前に、頭を仕手の足の後方に押し戻す事が必要になります。

受けが相手の頭を押し戻す動きだけでは、うまく崩せません。仕手の下半身が前に進む動きと、受けが仕手の頭を押し戻す動きが合わさって崩しがうまくいくのです。この呼吸と動きを「相手が回ってくるところへ迎えるように入身する」と表現しているのではないでしょうか?(上半身と下半身の動きは、同じ直線上の動きではありません。上から見ると上半身の動きと下半身の動きは×に使い形になります。)

入身投げの注意点として、以下の事があります。

①転換の際は、自分のお腹(又は胸)で相手の背中を見るように入ります。完全に真後ろに入った状態です。
②転換は180度以上回る事。体躯が大きな人を相手にする時に焦って投げようとすると、120度くらいしか回っていないことがよくあります。
③転換では足と手を同時に動かす事が鉄則です。上半身の動きが遅れていたら「大きい相手に貼りつくと全く動きません」状態になり易いです。
④投げる事に気をとられると首を抱き込んでしまいがちになります。「親指は下を向くように、腕は”鉄の輪”のように」という口伝があります。手で投げてしまおうとしないことです。
⑤合気会の一般的な教本にあるように、「転換後に相手が回ってくるところへ迎えるように手刀を切り上げる」と、体格差がある相手に体重負けすることが多々あります。それを避けるためには転換が終わった時には既に手刀が上がったフォームになっていることが肝要です。
⑥>むしろ一教・裏のように距離を取って回したほうが崩せるし、相手が伸びきるまで呼び込んだ方が返しやすい気がします。
→その通りですが、入身投げの動きでもそれは可能です。投げようとして、「相手を抱えるように貼りつく」が「相手にしがみつく」になっていることはないでしょうか?「抱えるように貼りつく」を「しがみつく」にしないコツとして、相手を「真後ろ」方向に引き倒すことがあります。相手が右半身になっている場合、崩れやすい方向は、右足と左足によって出来る「垂線」の(相手から見て)右側になります。「抱えるように貼りつく」ではなく、先の方向に「抱きかかえるように引き寄せる」ようにしてみてはいかがでしょうか?また上記③のこともふまえて、手刀は出来るだけ大きく使う様にすることも大切です。

同じ事を説明しているのに違う言葉を使っているだけかもしれませんが、よろしければ次の稽古で試してみて下さい。

ちなみに、④~⑥の動きを「赤ちゃんにお乳を飲ませるように・・」という口伝で教わりました。それくらい優しい動き(力まかせではなく体捌きで自然に崩れる)という意味合いも含んでいるのかもしれないと今は思っています。